かんぽ生命は解約した方がいい？返戻金やタイミングについても解説する！

「かんぽ生命って、やめた方がいいの？」
最近ネットやSNSでそんな声をよく見かけるようになりました。
でも、いざ自分の保険を見直そうとしても、「本当に解約して大丈夫？」「損しないかな…」と不安になりますよね。

とくに、昔に家族や知人にすすめられてなんとなく加入した場合、「自分で判断していいのかな」と迷ってしまう人も多いはずです。そして、保険のことってむずかしくて、誰に聞いたらいいのかも分からない…。そんなモヤモヤを抱えている方も少なくありません。

この記事では、かんぽ生命は本当に解約した方がいいのか？という疑問に対して、わかりやすく、やさしく解説していきます。

私は大企業の保険外交員として25年以上勤務しました。保険だけでなく、ファイナンシャルプランナーとして資産運用や年金相談など、5,300人以上の人生に関わった経験を生かして情報発信しています。

返戻金（戻ってくるお金）のことや、損しにくいタイミング、今の暮らしに合っているかどうかの判断ポイントなどもご紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。あなたにとっての「ちょうどいい保険」を見つけるヒントになりますように。

⇩動画でも解説しています。

かんぽ生命は解約した方がいい?（結論）

かんぽ生命は、人によっては解約したほうがいい場合があります。しかし、全員が全員「やめたほうがいい」と言えるわけではありません。

たとえば、保険料が高くて毎月の生活がきびしい人や、「そもそも何のために入ったのか分からない」という人は、一度見直してみるといいかもしれません。

最近では、「かんぽ生命はムダ」「解約したほうがいい」とネットで言われることも増えています。その理由の一つに、かんぽ生命が過去に不適切な保険の売り方をしていたことがあります。実際に、国の調査でも問題があったと報告されています。

そのため、「このままでいいのかな…」と不安になる人が多いのも当然です。ただし、長く払い続けてきた保険だったり、万が一のときの安心につながる内容の場合もあります。

かんぽ生命は解約した方がいいと言われている理由5つ

最近、「かんぽ生命はやめた方がいい」という声をネットやSNSでよく見かけませんか？
なんだか不安になるけれど、自分もそうすべきなのかはよくわからない――そんな気持ちを抱えている方も多いはずです。ここでは、「なぜそんな声が上がっているのか？」その背景をわかりやすくまとめました。

①不祥事や闇営業があったから

かんぽ生命が「やめた方がいい」と言われるきっかけになったのは、大きな不祥事があったからです。2019年、かんぽ生命では、お客さんにとって損になるような保険の売り方が明らかになりました。

たとえば、「保険を新しくしましょう」と言われて契約を変えたら、前の保険が途中で止まっていたり、保険料を二重に払っていたりと、ちゃんと保障が受けられないケースもあったのです。このような問題は全国で多数見つかり、ニュースでも大きく取り上げられました。

この出来事があってから、「本当に信じていいの？」「このまま続けて大丈夫かな？」と不安に感じる人が増えてしまいました。信頼できない保険会社にお金を預け続けることは、誰でも不安になりますよね。

参考：金融庁「かんぽ生命保険に対する業務改善命令」

②保険相談で解約した方がいいと言われたから

「この保険、やめた方がいいですよ」と、ファイナンシャルプランナー（FP）や保険相談窓口で言われて、気になっている人も多いと思います。実は、プロに相談すると、かんぽ生命の保険は“ムダが多い”と指摘されるケースがよくあるのです。

たとえば、保障内容が今の生活に合っていなかったり、同じような保障がもっと安い保険で手に入ったりする場合、FPは乗り換えをすすめてくれます。とくに「なんとなく勧められて入った」という人は、自分に本当に必要な保険かどうかを見直すタイミングかもしれません。

もちろん、解約＝必ず正解ではありませんが、専門家にそう言われるには理由があるのです。まずは、客観的な視点で契約内容を確認してみましょう。

③元本割れする可能性が高いから

「貯金代わりに」と思ってかんぽ生命に入った方も多いかもしれませんが、実は思ったよりお金が戻ってこないケースがあります。これを「元本割れ」と言います。

たとえば、毎月コツコツ保険料を払っていても、途中で解約すると、それまで払ったお金より少ない金額しか戻ってこないことがあるのです。とくに契約してから数年以内に解約する場合、この元本割れのリスクが高くなります。

「貯金代わりに」と思っていたのに、お金が減って戻ってきたらショックですよね。だからこそ、解約するならタイミングも含めてしっかり確認が必要です。

④他の金融商品の方が利回りが良いから

かんぽ生命を解約した方がいい理由のひとつに、「もっとお金が増える方法がある」場合があります。今は、保険よりもお金を増やしやすい金融商品がたくさんあるのです。

たとえば、つみたてNISAや投資信託などは、うまくいけば保険よりも高い利回り(儲け)が期待できます。一方、かんぽ生命のような貯蓄型保険は、元本保証があって安心ですが、利率がとても低いのが特徴です。とくに、長期間かけ続けても思ったほど増えないケースが多いのです。

つまり、お金を「増やす」ことを目的にしているなら、もっと良い選択肢が他にあるかもしれません。

⑤他に魅力的な保険商品があるから

今はたくさんの保険会社が、いろいろなタイプの保険商品を出しています。その中には、「同じような保障なのに保険料が安い」「途中解約しても損しにくい」など、魅力的な商品も増えています。

とくにネット保険などは、対面販売の手数料がない分、コストを抑えて同じような保障を安く提供している場合があります。保険をよく比べてみると、「なんで今の保険に入ってるんだろう？」と感じる方も少なくありません。

マネーキャリアという保険比較サイトでも、「古い保険をそのままにせず、定期的に見直すことが大切」と紹介されています。

つまり、今の保険よりも“いいもの”があるなら、わざわざ今の保険にこだわる理由はないのです。今の契約を見直すことは、自分の暮らしに合った保険を選ぶ第一歩になります。

かんぽ生命を解約した方がいい人や状況5選 

最近、「かんぽ生命は解約した方がいい」という声をネットで見かけて、不安になった方も多いのではないでしょうか。でも、いざ自分の保険を見直そうとしても「本当に解約して大丈夫？」「損しない？」と迷ってしまいますよね。

とくに、家族にすすめられて入った保険だと、自分で判断するのはむずかしいもの。でも実は、今の暮らしや目的に合っていないなら、解約を考えるのも立派な選択肢です。

ここでは「かんぽ生命を解約した方がいい人や状況」を5つご紹介します。

①保険料が家計を圧迫している場合

毎月の保険料が重たく感じて、家計にゆとりがなくなってきていませんか？

とくに子育てや住宅ローン、教育費などで出費がかさむ時期は、保険料の負担がグッと大きくなりますよね。いざというときの備えとして保険に入っていても、それによって今の暮らしが苦しくなってしまっては、本末転倒です。

かんぽ生命に限らず、毎月の保険料が家計を圧迫していると感じたら、一度立ち止まって見直してみるのも大切なこと。必要な保障だけにしぼれば、毎月のお金にも少し余裕が出てきます。

無理して続けるよりも、「解約」や「他の保険への乗り換え」も視野に入れてみましょう。家族との生活を守るためには、保険とどうつき合うかを考え直すことも、立派な選択肢のひとつです。

②当初加入した目的と合っていない場合

保険に入ったときは「子どもの教育資金」や「老後のために」と思っていたのに、今はその目的がなくなっていませんか？　

たとえば、学資保険に入ったけれど、お子さんがすでに独立している…そんな場合は、そのまま保険料を払うのはちょっともったいないかもしれません。

加入当初の目的が変わったのに、なんとなくで続けてしまうケースはよくあります。でも、保険は人生に合ったタイミングで見直すのが大切です。

まずは保険証券を見て「この保険、今の自分に本当に必要かな？」と考えてみてください。目的に合わない保険は、解約を考えるチャンスかもしれません。

③貯金で対応できる人

もしものときに必要な費用を、貯金でまかなえる人は、保険がなくても安心です。

たとえば、入院費や葬儀代などがまかなえるほどの貯金があれば、高い保険料を払ってまで保障を持つ必要はないかもしれません。生命保険文化センターの調査によると、入院時の自己負担費用の平均は約21万円です。

保障よりも「手元に現金がある安心感」を大切にしたいという人は、思い切って解約して、その分を貯金に回すという考え方もあります。

④他により適した保険商品が見つかった場合

最近は、ネット型保険やライフステージに合わせた保障内容の保険が増えています。「今の保険よりも保険料が安い」「保障が分かりやすい」など、自分にピッタリの保険が見つかったら、乗り換えを検討してもいいかもしれません。

ただし、新しい保険にしっかり加入できるかを先に確認するのが大切です。先に解約してしまうと、健康状態によっては新しい保険に入れなくなることもあります。

保険の比較は無料でできるサイトも増えており、「保険の窓口」などが代表的です。まずは一度、自分の保険が今の自分に合っているのか見直してみましょう。

⑤保険の内容が不適切であると感じた場合

「本当にこの保険でいいのかな？」とモヤモヤした気持ちを抱えているなら、その直感は大切です。

2019年、かんぽ生命では不適切な販売が問題となりました。二重契約や意図しない契約更新などで、多くの人が不安を感じるきっかけになったのです。

もし契約内容があいまいで、自分に合っていないと感じたなら、一度立ち止まって見直すのがいいでしょう。納得できないまま保険料を払い続けるのは、精神的にも経済的にも負担になります。

不安がある場合は、消費生活センターや独立系FPなど、営業されない中立的な相談先に問い合わせてみるのもおすすめです。

かんぽ生命を解約しない方がいい場合や状況5つ 

「かんぽ生命は解約した方がいい」とよく耳にするようになった今、「もしかして自分もそうなのかな…？」と不安に思う方も多いかもしれません。でも、ちょっと待ってください。

実は、かんぽ生命の保険の中には「解約するとかえって損になる」ケースもあります。とくに、昔に契約したプランや、保障の内容によっては、今後の生活に必要な備えを失ってしまう可能性もあるのです。

ここでは、「今はやめない方がいい」5つの具体的なケースを紹介します。あなたがその一つに当てはまっていないか、ぜひチェックしてみてください。

①2000年以前（バブル期）に加入した予定利率が高い終身保険や長期の養老保険

昔の保険には、今ではなかなか手に入らないほどおトクな内容のものがあります。

とくに2000年より前、バブルのころに契約した保険は「予定利率（お金の増え方）」がとても高く設定されていました。これは、毎月払った保険料に対して、将来戻ってくるお金が多くなるしくみです。

こうした保険は「お宝保険」とも呼ばれていて、今の時代にはもう作られていません。解約してしまうと、今の低金利の時代では同じ条件での再加入が難しく、結果的に大きな損になる可能性があります。

保険証券に「予定利率」や「契約日」が書かれているので、一度見直してから判断しましょう。

②保障目的で加入している場合

家族の安心のために入った保険は、ただの「貯金」とはちがって、大切な「守り」の役割を持っています。

たとえば、もしものときに遺族にお金を残せる「死亡保障」や、病気・けがでの入院に備える「医療保障」などがあります。解約すると、これらの安心がなくなってしまい、いざというときに困ってしまうかもしれません。とくに、他に同じような保険に入っていない場合や、まだ子どもが小さい家庭では、保障を手放すリスクは大きいです。

「保険料がもったいないかな」と感じても、万が一に備える目的で入っているなら、すぐに解約しない方が安心です。

③病気にかかっている人

今、病気をしている方や治療中の方は、新しく保険に入り直すのがとても難しくなります。

たとえば、高血圧や糖尿病、がんなどにかかっていると、新しい保険会社が「リスクが高い」と判断して、加入を断られることがあります。もし、今の保険を解約してしまうと、その後の保障がなくなり、もう保険に入れない可能性もあるのです。だからこそ、すでに入っている保険は「健康なときの証明書」みたいなもの。

今は少し負担に感じても、将来の安心のためには残しておいた方がいいかもしれません。医療が必要な今だからこそ、保険のありがたさが見直される時期とも言えます。

④貯金が苦手な人は資産形成の一環で加入しておいた方がいい

ついコンビニで買いすぎてしまったり、毎月いくら使ったのか分からない…そんな貯金が苦手な人にとって、保険はとても頼りになる味方です。保険料を毎月コツコツ払っていくと、知らないうちにお金がたまり、将来まとまったお金が返ってくる仕組みになっている商品もあります。

つまり、自分で頑張らなくても“強制的に貯金できる”というメリットがあるのです。「気づいたら積み立てられていた！」という声も多く、計画的な資産づくりにつながります。節約が苦手で、お金を使いがちな人ほど、保険のような仕組みが合っている場合があります。

⑤保険料の支払いが困難な場合に「払済保険」への変更を検討できる場合

今の生活が苦しくて、保険料の支払いがつらい…そんなときは、保険をすぐに解約する前に「払済保険」という方法を考えてみてください。

これは、それまで払ってきた保険料をもとに、今後の支払いはやめて、少し小さな保障に切り替える制度です。新しくお金を払わずに保険を続けられるので、家計の負担は減り、保障はゼロにならずに残ります。たとえば、保障額は少し減ってしまいますが、長年積み立ててきたお金を無駄にせず活かすことができます。

生活が苦しいときほど、解約よりもこうした選択肢を知っておくことが大切です。

かんぽ生命の学資保険は解約した方がいい？

かんぽ生命の学資保険を解約すべきかどうかは、今の家計の状況や、これからの教育資金の準備方法によって変わってきます。たとえば、毎月の保険料の支払いが家計を圧迫している場合や、「他の方法でお金をためたい」と考えているなら、解約を検討してもいいかもしれません。

ただし、解約には気をつけなければいけない点もあります。契約してすぐに解約すると、今まで払ってきたお金よりも戻ってくる金額が少なくなる「元本割れ」になる可能性があります。それだけでなく、契約者に万が一のことがあったときの保障もなくなってしまいます。

さらに、一度やめてしまうと、同じ条件で入り直すのが難しくなることもあります。なので、「本当に解約すべきか？」と悩んだときは、保険料を少なくする方法や、一部の保障（特約）だけをやめるなど、他の方法も考えてみると安心です。

かんぽ生命の終身保険は解約した方がいい？

かんぽ生命の終身保険は、「全員が解約すべき」というものではありません。でも、今の生活やお金の使い方に合っていないなら、見直した方がよいケースもあります。

たとえば、「保険料が高くて毎月のやりくりが苦しい」「思ったよりお金が戻ってこない」と感じているなら、解約も選択肢のひとつです。終身保険は一生涯の保障がある代わりに、途中でやめると損をする場合もあります。だからこそ、自分の加入目的と今の状況を比べて、本当に必要かどうかを冷静に考えることが大切です。

そもそも終身保険は「亡くなったときに保険金を家族にのこす」ためのものです。でも、子どもが成長してお金の心配が少なくなったり、ほかに十分な貯金がある人には、必要ない場合もあります。また、かんぽ生命の終身保険は、加入時期や内容によって「払い込んだお金より戻りが少ない」ケースもあるので注意が必要です。

結局のところ、「解約した方がいいかどうか」は人それぞれ。保険に入ったときの理由や今の生活を見直し、「本当にこの保障が必要？」と考えてみましょう。自分だけで判断がむずかしいときは、営業されない中立な相談先を頼るのも安心です。

かんぽ生命の解約のタイミングは？

かんぽ生命を解約するなら、「早すぎず、遅すぎず」がポイントです。

たとえば、加入してすぐに解約すると、ほとんどお金が戻らない可能性が高いです。逆に、もうすぐ満期というタイミングで解約してしまうと、本来もらえるはずだったお金が減ってしまう場合もあります。だから、「今が損なのか、得なのか」をしっかり見極めましょう。

以下のポイントが「ちょうどいいタイミング」の例になります。

たとえば、楽天保険の「家計に関するアンケートに結果」によると、保険を見直した理由の1位は「家計の見直し」でした。つまり、みんなも家計と保険のバランスを見ながら、タイミングを見ているということです。

「あと少しで満期」「ちょっと得になりそう」という場面であれば、一度立ち止まって、返戻金や保障の内容をしっかり確認するのがおすすめです。自分の今の暮らしと将来を見ながら、じっくり判断していきましょう。

かんぽ生命の解約返戻金はいくら？計算方法や確認方法はある？

かんぽ生命の解約返戻金は、どれくらいの年数入っていたかや、どんな保険に入っていたかで金額が変わります。ふつうは、長く続けているほど多く戻ってきます。

確認するには、以下の2つの方法があります。

ただし、すぐに解約するとお金があまり戻らないことも。なかには、まったく返ってこない保険もあります。解約するときは、将来の暮らしも考えて、できれば専門家に相談すると安心です。

参考：かんぽ生命　よくある質問　【解約】 解約返戻金額を知りたい

かんぽ生命の解約方法は？

かんぽ生命をやめたいときは、郵便局の窓口で手続きをします。スマホやネットでは解約できないので注意してください。

まずは、以下の3つを準備します。

郵便局の保険窓口へ行って、用紙に必要なことを記入して提出します。簡易郵便局ではできないのでご注意を。もし本人が行けないときは、代理の人でも大丈夫。その場合は、委任状や代理人の身分証が必要です。

手続きが終わると、返戻金がある場合は指定口座に振り込まれます。気になることがあれば、かんぽコールセンター（0120-552-950）に電話して聞いてみましょう。

参考：かんぽ生命　解約、契約変更のお手続き

かんぽ生命は解約した方がいい？のまとめ

かんぽ生命の保険は、すべての人にとって「解約した方がいい」とは限りません。大切なのは、「今の暮らしに本当に合っているか」を冷静に見直すことです。

人によっては、解約によって家計にゆとりが生まれたり、自分に合った保険に変更する必要があります。一方で、保障がなくなったり、損をしてしまうリスクもあるため、内容をよく確認した上で判断しましょう。

迷ったときは、営業されない中立な相談先を活用し、自分にとって納得のいく選択をしていきましょう。

この記事のまとめ

自分や家族の未来を守るために、保険とどう向き合うか、じっくり考える時間を持ってみてくださいね。